トレーニング方法

【筋トレ知識】筋トレ前のストレッチはしない方が良い?【科学的に証明】

こんにちは理学療法士のひげです。

今回も理学療法士とトレーナーの経験と知識から筋トレの方法を解説していこうと思う。

僕自身もハードゲイナーで日々トレーニングを行ってボディメイクに励んでいる。筋トレ方法は自宅で行える運動が中心で、ランニングや水泳などの有酸素運動も取り入れながら実践している。

今回のテーマは「ストレッチ」。

ストレッチには、スポーツ現場での障害予防や高齢者の健康維持など幅広く行われている。効果としては、柔軟性の改善、筋緊張の低下、疲労回復、血流改善などパフォーマンスの向上が挙げられる。

多くの論文でも発表されている様に、一般的に運動前にストレッチを行う理由は、「けがを予防できる」という観点で行う人が多数だと思う。

しかし一方で、「筋トレ前のストレッチはパフォーマンスを低下させる」という残念な報告も多いのはご存知だろうか?近年では静的ストレッチは筋出力(パワー)の低下に繋がるという報告が散見されている。

筋トレや運動の目的をボディメイクに置いている方にとって、「筋トレ前のストレッチはパフォーマンスを低下させる」という情報は必ず知っておいて欲しいと思う。

目次

筋トレ前のストレッチはしない方が良い?【論文から抜粋】

結論から言うと、静的ストレッチの筋パフォーマンスに対する効果は、60秒以上ストレッチを行うとパフォーマンスを損なうと結論づけている。この際のパフォーマンスは関節可動域の改善ではなく、筋出力(パワー)の向上に焦点を当てている。

スタティックストレッチ⇨一般的なストレッチ方法。持続的に筋肉を伸張するのが特徴。
ダイナミックストレッチ⇨身体を動かしながら行うストレッチ方法。ラジオ体操など。
バリスティックストレッチ⇨ダイナミックストレッチの仲間で反動を利用。

さらに、アメリカ・ルイジアナ州立大学のネルソンらは、「トレーニング前のストレッチは筋肥大の効果を減少させる」と報告している。

ネルソンらは、ストレッチを行なった群と行わない群に分けて比較して1RMの60%のレッグカールを限界まで行わせた。その後、レッグカールの運動回数をカウントした結果、ストレッチをした場合、運動回数が24%低下していたことが分かった。

また、Biomechanics(生体力学の基礎)』のデュエイン・ヌードソン教授は次にように語っている。「静的ストレッチをすると筋肉は存分に動きにくくなる。その結果、静的ストレッチを行った後の30分から1時間は運動能力が落ちる」と発表している。

この様な結果から、短時間(15秒〜30秒)のスタティックストレッチは柔軟性は改善させるが、筋出力の低下を来すことが決定付けられている。

スタティックストレッチがパフォーマンスを下げる理由

①神経−筋系の作用
スタティックストレッチ後、運動単位の活動性、インパルス(神経の興奮)の発射数、頻度が減少するとされている。すなわち、筋肉をまとめて動かす「運動単位が一部しか働かない」ためだ。

筋出力(パワー)を効果的に上げるためには、より多くの筋繊維を収縮させるのがポイントになる。その際に大切になるのが「運動単位」だ。この運動神経がより多くの筋線維に対して刺激を与えることで、通常より大きなパワーを出すことが可能になる。

※運動単位の説明は以下

【筋トレ初心者】筋トレで筋肥大が起きるメカニズム【挫折を解消】フリーランス理学療法士のひげだ。 得意分野は、科学的根拠と身体メカニズムを理解した筋トレ指導で、トレーニングによるダイエットやボディメ...

しかし、60秒以上のスタティックストレッチを行った場合、運動単位の動員が抑制されてしまうので大きなパワーが発揮出来ない状態になってしまう。

②Ⅰb抑制が働く
関節と関節をつなぐ筋肉は腱というコラーゲン組織によって連結されいてる。

この腱の中にはゴルジ腱器官というセンサーがある。このセンサーは筋肉が引き伸ばされると、筋肉を緩めるように感知する働きがあるため、スタティックストレッチで筋肉が伸ばされると筋肉をリラックスさせてしまう作用が働いてしまうためパフォーマンスが低下してしまう。

運動前にすべきストレッチ

6秒以下のストレッチやダイナミックストレッチの様な運動を行いながらの方法であれば、筋出力を向上させる結果となっている。

運動前にストレッチをする習慣の人からすれば、「何か物足りない」と感じるかもしれないが、入念なストレッチを行うなら、ウォームアップの様な運動で身体を温めるくらいがパフォーマンスへの影響は高いかもしれない。

軽くジョギングしたりジャンプをして汗を流すような軽く心拍数が上がる程度の運動で十分筋肉はスタンバイしてくれている。

目的に合わせてストレッチの選択を

とはいえ、スタティックストレッチが運動パフォーマンスの低下をきたすとしても、用途に合わせてストレッチを選択して欲しい。

スタティックストレッチは、血流の改善によるリラクゼーション効果があるため、心身の疲労がある際などに行うのは効果的だ。風呂上がりなど、身体が温まり筋肉に血流が多く流れている際に行うと良いとされている。

スタティックストレッチを行う場合の注意点として、息を吐きながらゆっくり行い(15秒〜30秒)、痛みが出るところまで伸ばさない様に行うことだ。筋肉は伸張反射といって、急激の引き伸ばされると、危険を感じて縮まろうとする性質がある。それだとリラクゼーションとしての効果は十分に得られないため、時間をかけて丁寧に行って欲しい。

運動前にストレッチをする習慣がある人にとっては、その後の運動パフォーマンスに影響する可能性があるため、適度な運動によるウォームアップを行う程度を推奨している。

ストレッチの効果と知識を確認して、自分の目的に応じた「ストレッチの選択」を行って欲しいと思う。

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