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【科学的に解説】プロテインのタイミングは寝る前と朝食が大切【効果的な理由】

こんにちは理学療法士のひげです。

理学療法士とトレーナーの経験と知識からトレーニングに役立つ情報を紹介していこうと思う。

今回のテーマは、「プロテインのタイミングは寝る前と起床後が大切な理由」について解説していく。

トレーニング経験者は、運動後のプロテイン補給は欠かしていないと思う。だが、就寝前と起床後のプロテイン摂取も運動後と同様で非常に大切なため是非試してもらいたい。また、すでに実践中の方は科学的な根拠を交えて解説してみたので読んで頂けたらと思う。

目次

プロテイン(タンパク質)が必要な理由について

身体の20%を占めるタンパク質

運動指導をしていて感じるのは、「プロテインの知識が乏しい人が多い」ということだ。自分がどんな体を理想としているかによって、運動アプローチの選択の仕方は変わってくるが、筋肉量を落としながボディメイクするメリットは一切ないことを覚えていてもらいたい。

細マッチョ希望にしても、美しく体重を落とすにしても、筋肉量の維持はマストになる。まずは、タンパク質(プロテイン)が必要な理由を解説する。

身体の約60%が水分で構成され、水分の次に多いのが、全体の約20%を占めるタンパク質だ。タンパク質は心臓や肺といった臓器をはじめ、皮膚や爪、髪の毛、ホルモン、血液、免疫成分など、身体を構成する様々な物質を作る原料となっている。

そして筋肉もタンパク質を主体とした成分から構成されている。タンパク質は、「アミノ酸」と呼ばれる分子が結合してできており、この数十〜数万単位の組み合わせによってできている。

身体を構成するタンパク質は、わずか20種類の「アミノ酸」で作られている。20種類のアミノ酸は、9種類の「必須アミノ酸」と、11種類の「非必須アミノ酸」に分けられる。

非必須アミノ酸は、食事を補給してれば体内で作りだすことが可能だが、必須アミノ酸は身体の中で作り出す事が出来ないため、食事などで摂取しなければならないという事だ。

「アミノ酸スコア」についての理解

タンパク質は筋肉量の維持や向上はマストになるが、質が悪いタンパク質を摂取しても意味がない。必要なのは、ボディメイクの効果を高めてくれる「良質なタンパク質」になる。

筋肉を構成するタンパク質は、先ほど説明した「必須アミノ酸」でしか合成されないため、9種類全てが必要になる。

すなわち、「9種類の必須アミノ酸をすべて含む」ことが非常に大切になる。

そこで必須アミノ酸を含むタンパク質の指標として「アミノ酸スコア」が用いられる。9種類すべての必須アミノ酸が含まれ、基準を満たしている場合、アミノ酸スコアは「100」となる。

以下を参考にして欲しい

プロテイン アミノ酸スコア
ホエイプロテイン 100
カゼインプロテイン 100
ソイプロテイン 100
食品例 アミノ酸スコア
豚肉 100
鶏肉(全) 100
牛乳 100
大豆 100

このように、肉や乳製品といった動物性食品やプロテインが「良質なタンパク質」であることが、アミノ酸スコアから分かる。

トレーニング後の栄養補給として用いられるプロテインは理にかなっており、アミノ酸スコアの高い食品を補給する事がボディメイクでは必須となる。

寝る前のプロテインが大切な理由

就寝中は筋タンパク質の合成が低下

筋トレ後のタンパク質摂取については、「最適なタンパク質量を摂取する」ことが基本になる。食事で補えない場合、プロテインを補給することによって筋トレの効果を最大化していく。

筋トレや運動後は、筋タンパク質の合成が促進された状態になる「ゴールデンタイム」に突入する。そして、一般的に「ゴールデンタイム」は運動後30分間が最もタンパク質の吸収が行われるとされている。

しかし、最近の見解では、就寝中を含めた24時間のサイクルで筋タンパク質の合成が促進されている事が明らかになっている。

だが、就寝時の筋タンパク質の合成には問題点がある。それは通常、筋タンパク質は合成・分解を繰り返して筋肥大を起こす仕組みになっているが、就寝中は筋タンパク質の合成が促進されず、分解が進んでしまうことだ。

その問題を解決する方法は、タンパク質(プロテイン)摂取量を増やすという方法だ。通常、プロテイン1回の摂取量はスプーン2杯の20gを目安とするが、寝る前に倍の量40gを摂取することで筋タンパク質の合成作用が分解量を上回る算段となる。

就寝中はカゼインの摂取がオススメ

● カゼイン
チーズを主成分にして牛乳のたんぱく質の8割を占めるのがカゼイン。粘性が高くて、腹持ちがよいので、長時間栄養摂取ができないときに飲むのが◎。

カゼインプロテインは、吸収に7〜8時間を要するため、就寝時に筋タンパク質の原料である血中アミノ酸を長時間にわたって基準値より高い濃度を維持出来るメリットがある。

そのため、吸収速度が速いホエイプロテインではなく、就寝30分〜1時間前にカゼインプロテインの摂取をすすめている。

朝食のプロテインが大切な理由

朝が苦手で結構ギリギリまで寝たいって思う人も多いはず。そうなると、必然的に朝食を抜いてしまう傾向が高くなる。

しかし、筋トレでボディメイクを考えている人にとっては超問題。

カラダを変えるためにには「助脂肪体重1kgあたり2〜3g」で算出される。肉に含まれるタンパク質は、平均して総量の20〜25%。1食あたり40〜60gのタンパク質を補うには、約200g以上の肉が必要になる計算。

肉はすべてがタンパク質ではないから要注意。

1回の食事でタンパク質を最低20〜30g確保する必要があるにも関わらず、朝食を抜いてしまうと、身体は筋肉を作る栄養が枯渇している状態になる。

効果的にタンパク質を摂るならプロテイン飲むのがオススメ。最速の時短朝食だから、朝から効率よくタンパク質をとってみて欲しい。

カロリーオーバーの心配はないのか

筋トレやトレーニングの目的により摂取カロリーの計算は変わってくるが、筋肥大(ダイエット含む)場合でも、カロリーオーバーになる心配はほとんどない。

なぜなら、1日に必要なタンパク質量が摂取できていない場合がほとんどだからだ。

タンパク質必要量は、助脂肪体重1キロあたり2〜3グラムの計算となるため、体重60kgであれば約120g程度のタンパク質が必要になる計算だ。

これは、ステーキであれば600g程度、卵であれば20個以上、牛乳であれば、4L以上に相当する。これらを摂取するのは現実的ではないし、余計な脂質、カロリーまで摂取してしまうことにもなる。

そのため、純粋に必要なタンパク質を摂取している人は多くない。効率よくタンパク質に補給を行うためには、プロテインの摂取は非常に有効になる。

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