今回はこのような疑問を解説していきます。
「カッコイイ身体になりたい」「ダイエットを成功させたい」「100mのタイムを更新したい」などトレーニングの目的は各々で違うと思います。
今回は、トレーニングをする上で絶対抑えておきたい基礎知識である「速筋」と「遅筋」を理解した上で、トレーニングは速筋を鍛えた方が良い理由を解説していきます。
⚫︎遅筋と速筋をザックリ説明
⚫︎遅筋と速筋の理解を深めるために筋肉内部へ潜入
⚫︎遅筋と速筋の種類を詳しく説明
※この3つを読破すれば筋肉の種類は網羅できます。
⚫︎トレーニングは速筋を鍛えた方が良い理由
⚫︎トレーニングを始めたばかりの人。
⚫︎トレーニングのパフォーマンスを1upさせた人
⚫︎体の構造について詳しくないりたい人
目次
遅筋と速筋の違いは?知識をつけて効果的な筋トレ。
遅筋と速筋はこの2つの作用に分けられる。
⚫︎速筋線維→収縮速度は早いが疲労しやすい
⚫︎遅筋線維→収縮速度は遅いが持久力に優れる
結論、この2種類の意味が全て。
そして、筋トレの目的が「体を絞る」「細マッチョ化」「ダイエット」などの場合
速筋を鍛える事が最速。
速筋は筋肥大を起こすため、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がるため、筋トレなどのボディメイクは速筋を鍛えることが多い。
その理由を少しづつ紐解いて行きましょう。
筋肉の内部を理解する
内部構造と収縮の仕組み
筋肉は、数百から数十万の筋線維で構成されおり、筋線維は筋周膜によって束ねられており、これを「筋束」と呼んでいる。
※リハビリテーションログより引用
筋線維は、髪の毛と同じくらいの太さで、直径20〜120ミクロンの組織。
筋線維は、直径1ミクロン程度の筋原繊維の束で構成されており、内部にアクチンとミオシンと呼ばれる部分があり、お互いに滑り込むことによって、筋肉の収縮が起こる仕組み。
遅筋と速筋の違いは?
遅筋は別名で赤筋とも呼ばれており、その名の通り筋肉が赤く見える。これは、毛細血管が発達してるので血流が豊富であるためだ。
速筋は白筋と呼ばれており、赤筋に比べて毛細血管が荒く血流が少ないため白く見える。
筋肉の束(筋束)は、大体同じ割合で遅筋と速筋が混在しており、ゆっくり動くときには遅筋が使われ、早く動くときには速筋が動員される。
「遅筋」は持久力に優れており、ジョギングや有酸素運動で主に使われる筋肉。運動の開始直後から働き、最大筋力の35%程度までの力が必要なときに使われる。
「速筋」は早く動くときに用いられ、瞬発的に爆発的な力を発揮するときに使われる。短距離走などのスプリント競技や投てきのような運動に向いた筋肉となる。
遅筋はトレーニングで筋肥大することはなく、速筋が大きくなることによって筋全体が大きくなると言われている。
筋肥大について詳しく書いた記事です。下記よりどうぞ。
https://higechan0104.com/1099/
筋線維の種類
筋線維の種類と名称
遅筋線維 | 速筋線維 | |
ST線維(遅い収縮) | FT線維(早い収縮) | |
SO線維(遅い、有酸素) | FOG線維(早い、有酸素) | FG線維(早い) |
タイプⅠ線維 | タイプⅡa線維 | タイプⅡb線維 |
筋線維の種類は大きく分けて3つ
⚫︎収縮速度は早いが疲労しやすい→速筋線維(FT線維、FG線維、タイプⅡb線維)
⚫︎収縮速度は遅いが持久力に優れる→遅筋線維(ST線維、SO線維、タイプⅠ線維)
⚫︎この2つの中間的な性質を持つ筋線維→FOG線維(タイプⅡa線維)
陸上短距離のような瞬発型・パワー型競技の選手は速筋線維が多く、長距離のような持久型競技の選手は、遅筋が多い。
ボディメイクを目的とする筋トレも、速筋を鍛えることになる。
強度によって筋線維の動員が違う
強度の低い運動では、主として遅筋線維が動員されるが、強度が高くなるにつれて速筋線維も動員される。
高負荷を用いたトレーニングは、遅筋線維に加えて速筋線維が十分に動員される運動になる。
人間は遅筋と白筋の混合
魚類、鳥類などの哺乳類は筋全体が白筋あるいは赤筋に分けられるが、人間は両方の筋繊維がひとつの筋に混在している。筋肉により、比率が異なり、腓腹筋では速筋が多く、ヒラメ筋では遅筋が多い。
人間の体の中で白筋含有量が多いのは「上腕三頭筋」で約70%であり、腕の中で最も多く筋肉量が多い。
遅筋含有量が多いのは「ヒラメ筋」で約80%を占めている。ヒラメ筋はふくらはぎの内側の筋肉で、膝を曲げてつま先を上げた時に膨隆する筋肉。
魚類で比較
魚類の速筋(白筋)で代表的なものにヒラメ、カレイ、タラ、タイ、フグがいる。
これらの白身魚は、回遊せずにあまり動かないタイプや海底で静かに暮らすものが多いため、獲物を捕獲するときに瞬発的に動く筋肉が発達している。
遅筋(赤筋)で代表的なのは、カツオ、マグロ、ブリでこれらの魚は回遊魚でもあり高速で遠海まで泳ぐため、たくさんの酸素が必要になるため、遅筋が発達している。
筋収縮とエネルギー代謝についての理解
体内には約18万kcalのエネルギーが貯蔵されている。脂質77%、タンパク質22%、糖質1%である。すぐに利用できるエネルギーは源は糖質であり、筋肉に貯蔵されているのが75%、肝臓に20%が主になる。
運動負荷が軽いとき(ジョギングやサイクリング)、筋収縮のエネルギーの多くは脂質から変換される。運動負荷が上がると(ウェイトトレーニングや100m走)糖質の利用が多くなる。
最大酸素摂取量50〜70%(けっこうきついジョギング)の運動では糖質が主なエネルギー源になり、85〜90%(100m走)は糖質だけになる。
遅筋はスタミナの宝庫
遅筋は血流が発達しており、酸素を使用ながらエネルギーを効率よく産生するのが特徴。
遅筋は筋肥大を起こすことはないが、鍛えれば鍛えるほど疲れにくく、持久力のある筋肉なる。
マラソン選手などのように長時間にわたって筋肉を使う場合は、トレーニングで強化することが重要になる。
遅筋は脂肪をエネルギーに変換して筋肉を収縮するため、ダイエットなどでは効果を発揮する。遅筋のトレーニングはゆっくり歩くことや軽めのジョギングなど有酸素運動で鍛えられるため、運動習慣がなかった人は取りれやすいトレーニングとなる。
速筋はパワーを生み出す工場
速筋は、エネルギーを生み出すときに酸素を使用しない「無酸素性運動」であり、瞬発的な運動をするときに使用される筋肉となる。
遅筋では筋肥大することがなかった反面、筋肉に負荷を与えるトレーニングを続けることで筋肥大を起こすのが特徴。
スプリント競技などの瞬発力を必要とする運動種目においては、爆発的な力を瞬時に発揮してくれるためトレーニングする必要がある。
速筋は筋肥大を起こすため、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がるため、ダイエットなどのボディメイクでも注目されている。
最近は、ジョギングのように遅筋を鍛えてボディメイクする方法より、速筋を刺激するトレーニング方法が流行っているのはそのためだ。
速筋と遅筋の違いを理解して効率的なトレーニングを
現在トレーニングに励んでいる人は「カッコイイ身体になりたい」「ダイエットを成功させたい」「100mのタイムを更新したい」などトレーニングの目的は各々で違うと思う。
目的が「細マッチョ」「痩せたい」など体の変化を目的とす場合に有効なのは
「速筋を鍛えることです」
速筋を鍛えることで筋肉量を増やして代謝を上げることが、最も効果的と言える。
そして「持久力の向上」を目的としている場合に有効なのは
遅筋を強化するようなランニングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れるトレーニングが必要。
自分が必要とする目的に応じて効率よくトレーニングを進めるためには、筋肉の種類を理解することも非常に大切な知識となる。
是非、今回の基礎知識を活かしてトレーニングに役立てて下さい。
ボディメイクなどの筋トレは速筋を鍛えろ。
速筋は遅筋に比べて、維持するのに多くのエネルギーが必要となるが、遅筋に比べて筋肥大しやすく、トレーニングによる効果も出やすい。ただし、その人が持つ最大筋力の40%以上を使う活動でなければ速筋は使われないという面もある。
そのため、負荷量をかけたトレーニングでないとどんどん減少していくのも特徴の1つ。
「体に筋肉を付ける」という美ボディが目的の場合は、速筋を強化する事でリバウンドしない脂肪を燃焼する体に改造することができるため、是非とも速筋を鍛えてみて欲しい。